スーパースターのフットサル/ジネディーヌ・ジダン(元フランス代表)スーパースターのフットサル/ジネディーヌ・ジダン(元フランス代表)

サッカーのスーパースターの中には
フットサルでテクニックを磨き上げた選手も少なくない。
今回は欧州の名門クラブで活躍した元フランス代表
ジネディーヌ・ジダンに迫る!


「フットサルをやりたい!」という気持ちになるんだ

 ジネディーヌ・ジダンが現役を退いてからもうすぐ3年になる。2006年ワールドカップ・ドイツ大会、イタリアとの決勝戦が彼にとって現役生活最後の試合になったことは周知のとおりである。

 イタリアのマルコ・マテラッツィに頭突きを浴びせ、決勝の舞台となったベルリンのオリンピア・シュタディオンのピッチを去ってからというもの、ジダンの動向はなかなか日本のファンに伝わってこない。現在の彼は、主にテレビ解説者として活躍しつつ、他にもスポンサー関連のイベントに参加するなど多方面で活躍。時にはチャリティーマッチに出場して現役時代さながらのプレーでスタジアムを沸かせている。サッカー選手であった頃と立ち位置は変わったとはいえ、当時と同じようにサッカーを中心とした多忙な毎日を送っていることに変わりはない。

 そんな生活の中で、楽しみながらコンスタントにやっていることがあるという。本人が「大好きだ」と語るフットサルである。

 「フットサルは本当に大好きでね。別に、決まった日時に、特定の人とやっているというわけではなくて、大会に参加してみたり、友人や知人に招待してもらったり、もちろん自分が『プレーしたい!』と思った時には時間が許す限りフットサルをしているんだ。そこに難しい理論はなくて、世界中のフットサル愛好家と同じように、『とにかくフットサルがやりたい!』という気持ちになるんだよ。僕はボールを蹴ることが大好きだから。まあ、こんなことは今さら言わなくてもみんな知っていると思うけどね(笑)」

フットサルが持っている楽しみ以上の大きな意味

 日本国内でフットサルやサッカーに興じる人々にとって、ジダンと言えば どのチームでのプレーが印象的だろうか。その名を世界に轟かせたユヴェントス時代か。銀河系軍団の中心として輝きを放ったレアル・マドリー時代か。それとも、背番号10を背負って母国をけん引し続けたフランス代表での勇姿か。

 どんなユニフォームを身に着けていても、彼が華麗なプレーで世界中のファンを魅了し続けてきたことは間違いないだろう。もっとも、それは世界的なビッグクラブや代表チームでのプレーに限ったことではない。幼少時代から彼の存在は際立っており、ジダンのキャリアが16歳から本格的にスタートしたという事実もそれを証明する。13歳でフランスのカンヌというチームに引き抜かれた少年ジダンは、その3年後、わずか16歳でプロリーグのピッチに立ったのである。

 現役を退き、フットサルを楽しむ中で、ジダンは幼少時代を回想することがあるという。

 「僕の根底にあるのはストリートサッカーなんだ。厳密に言えばフットサルとは違うけれど、プレーする人数やコートの広さ、ゴールの大きさなんかはフットサルに近いものがあるからね。学校から帰ってくると、当時住んでいたマルセイユ北部のアパートから広場に飛んでいって、ずっとボールを蹴り続けていたよ。テストの成績が悪くなってもボールを蹴ることだけはやめなかった。それに、ボールで近所の家の窓ガラスを割ったことも一度や二度じゃない(笑)」

 彼の代名詞とも言える《マルセイユ・ルーレット》をマスターしたのもこの時期だ。

 「一緒にプレーしていたのは僕の兄貴を始め、年上が多くてね。だから派手なプレーをすることはできなかったけれど、毎日が刺激的だった。あのルーレットを覚えたのも当時のことさ。まるで僕が生み出したプレーのように言われることもあるみたいだけど、実際は兄貴が取り組んでいたプレーをずっとまねしていたんだよ。もちろん、狭いスペースでのプレーで基本技術は鍛えられたし、攻守における相手との駆け引きなんかもあの時代に学んだんだ」

 現在、フットサルに愛着を持つ男は、将来に向けて大きな計画を練っているという。

 「今の僕にとって、フットサルは楽しみ以上の大きな意味も持っているんだ。僕自身が生まれ育ったマルセイユにスクールを立ち上げようと思っていてね。フットサルは環境に応じて屋外でも屋内でもできるし、1チーム5人編成と少人数。その特性はストリートサッカーになじんでいるフランス人にも親しまれると思うんだ。だからフットサルを中心とした施設を作ろうと思っているんだよ」

 かつて世界最高の選手と称された男は、どんな施設を作り上げ、どんな指導を行うのだろうか。そしてどんなフットサル選手を輩出するのか。これから先、フットサル界におけるジダンの活動に注目したい。

 

フットサルプレー

「フットサルは本当に大好き」と言うジダン。ボールを蹴ることが好きだからこそ、イベントや大会への参加であっても、楽しんでプレーしている

スクール

ジダンは「マルセイユにスクールを立ち上げようと思っていてね」と、施設建設計画を練っている。どのような選手が生まれるのか今から楽しみだ

ワールドカップ・フランス大会優勝

地元で行われたワールドカップ・フランス大会優勝の原動力となったジダン

ジネディーヌ・ジダン(元フランス代表)

Zinedine ZIDANE/1972年6月23日生まれ、フランス出身。185cm/78kg。
98年のワールドカップ・フランス大会制覇を始め、ユヴェントス、レアル・マドリーなど所属クラブで多くのタイトルを獲得。華麗なテクニックで攻撃を司り、“世界最高の選手”として絶賛された。06年に惜しまれつつ引退。

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